Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
横山 立憲
Isotope News, (764), p.11 - 14, 2019/08
原子核崩壊による核種変化、または放射線による損傷を利用して岩石や化石試料の形成年代を測定する放射年代測定は、地球惑星科学の分野において、過去の自然事象を解明する際に広く用いられる。岩石・鉱物試料の中でも、炭酸塩鉱物の年代測定技術の開発は、近年急速に進みつつある。炭酸塩の年代測定は、例えば鍾乳石や蒸発岩及び鉱石の形成年代を知るために実施されてきたが、岩石の割れ目を充填するように存在する炭酸塩は、過去の地下水から沈殿して生成され、その年代情報は地下水流動経路の変遷の解読に繋がり、過去の断層運動の解明などにも大きく寄与すると期待される。炭酸塩が地下環境において、地下水から段階的に成長した場合、その内部には微細な累帯構造が形成されることがある。また、炭酸塩の起源となる水の微量元素組成が変化した場合、累帯間で微量元素組成に違いが生じうる。このような試料について分析を実施する場合に有効な局所分析手法の一つとして、レーザーアブレーション装置と誘導結合プラズマ質量分析装置を組み合わせたLA-ICP質量分析法がある。本稿では、LA-ICP質量分析法を用いた炭酸塩鉱物の年代測定技術の開発について紹介する。
堀池 巧*; 土津田 雄馬*; 中野 友里子*; 落合 朝須美*; 宇都宮 聡*; 大貫 敏彦; 山下 光雄*
Applied and Environmental Microbiology, 83(20), p.e00855-17_1 - e00855-17_11, 2017/10
被引用回数:18 パーセンタイル:62.48(Biotechnology & Applied Microbiology)福島第一原子力発電所事故により、放射性ストロンチウムの一部が海洋に漏出した。塩濃度が高い条件では一般的な吸着剤によるSrの除去効率が低いので、本研究では生物起源鉱物による塩水中からの水溶性Srの除去を検討した。海底堆積物から単離したバチルス属細菌のTK2k株は、塩水中のSrの99%以上を除去した。Srはまず細胞表面に吸着し、その後細胞外に形成した炭酸塩鉱物に取り込まれることを明らかにした。
永石 隆二; 本岡 隆文; 山岸 功
Proceedings of 2016 EFCOG Nuclear & Facility Safety Workshop (Internet), 6 Pages, 2016/09
多核種除去設備(ALPS)の高性能容器(HIC)中で起きた炭酸塩スラリーの液位上昇に伴うたまり水発生は、スラリー中のSr-90等からのベータ線による放射線分解に起因すると考えられるが、詳細は明らかにされておらず、その原因究明に関する実験的研究を東電、東芝、栗田工業と協力しながら段階的に進めてきた。実験では、水素が主要なガス生成物であり、海水成分のハロゲン化物イオンだけでなく凝集沈殿処理剤の炭酸イオンによってもその発生が促進されることがわかった。また、水素が溶存種から気泡に変わり高粘度のスラリーに保持されることで、スラリーの容積変化(膨張)が起こるとともに、照射下で特異に上澄み水が形成されることがわかった。
柴田 俊夫*; 瀬尾 眞浩*; 杉本 克久*; 水流 徹*; 井上 博之*
JNC TJ8400 2000-013, 38 Pages, 2000/02
これまでに核燃料サイクル開発機構(旧動燃事業団)が実施してきたオーバーパックに関する研究成果についてレビューし評価をおこなったのに引き続き、腐食防食協会の中に専門家による委員会を継続した。腐食科学の観点から、材料選定の考え方、実験方法、寿命評価手法など、より具体的な指針として役立てるべく、個別現象解析モデルの研究をおこなった。本書が、今後の研究開発の過程で利用され、オーバーパックに関する研究に役立つことを期待するものである。
小原 真司*; 鈴谷 賢太郎; 大野 英雄
Proceedings of 12th International Symposium on Molten Salts (Molten Salts 12), 99-41, p.253 - 262, 1999/10
溶融アルカリ炭酸塩は燃料電池の次世代材として大変重要であり、多くの研究がなされているが、その融体構造が明らかになったとは言い難い。本研究では、LiCO,Na,CO,KCO融体のX線回折及び中性子回折の結果について逆モンテカルロ法(RMC法)を適用し、その融体構造を詳細に解析した。その結果、いずれの融体においても、アルカリ金属イオンはCOイオンのコーナーサイトには存在せず、エッジサイトにおもにあることが明らかになった。しかし、すべてのアルカリ金属イオンがエッジサイトにあるモデルでは回折結果を完全には表現できず、フェイスサイトにも存在するモデルが良く表現できることが明らかになった。アルカリ金属イオンがCOイオンのフェイスサイトにも存在するという知見は、従来の分子動力学法などではCOイオンが剛体球近似されていたので、得られなかった情報である。
内海 渉
SPring-8 Research Frontiers 1998/1999, p.23 - 25, 1999/10
炭酸塩触媒を用いた黒鉛-ダイヤモンド変換プロセスを高温高圧下で放射光によりその場X線観察した。KMg((CO)を用いた場合、触媒の融点よりもより高温でないとダイヤモンドが生成しないことが観察され、このダイヤモンド形成温度の圧力変化が求められた。一方、炭酸マグネシムを触媒に用いた場合には、触媒の融解以下の温度でダイヤモンドが形成しはじめる様子が観察された。
G M N BASTON*; J A BERRY*; M BROWNSWORD*; D J LLETT*; C M LINKLATER*; S W SWANTON*; Tweed, C. J.*
JNC TJ8400 99-078, 72 Pages, 1999/03
本報告書では、以下の3つの事項について報告する。強還元条件下の中性付近におけるプルトニウムの酸化状態測定の可能性を明らかにするために調査研究を実施した。その結果、溶解度が低いために溶液中のプルトニウムの直接測定は困難であるものの、適切な基質に吸着したプルトニウムの酸化状態確認はX線吸収分光法により行える可能性があることがわかった。強還元条件下において、プルトニウムの玄武岩、泥岩、砂岩へのバッチ吸着試験を実施した。試験には、岩石-脱イオン水平衡水摸擬液、岩石-海水平衡水摸擬液、およびこれらに炭酸塩を添加した溶液を用い、分配係数の溶液組成依存性を調べた。その結果、炭酸濃度の増加による分配係数の低下は認められなかった。上記のプルトニウムの玄武岩、泥岩、砂岩への吸着実験結果を解釈するために、酸化鉄が主要な吸着相であると想定した吸着モデルの開発を行った。モデル化はプルトニウム3価の吸着をもとの行われた。モデルにより予測される分配係数は実験結果と概ね適合するものであった。
内海 渉; 谷口 尚*; 水谷 剛; 西山 宣正*; 中野 智志*; 舟越 賢一*; 下村 理
Proceedings of the 6th NIRIM International symposium on Advanced Materials (ISAM99), p.67 - 68, 1999/03
炭酸塩触媒を用いた黒鉛-ダイヤモンド変換プロセスを高温高圧下で放射光によりその場X線観察した。KMg((CO)を用いた場合、触媒の融点よりもより高温でないとダイヤモンドが生成しないことが観察され、このダイヤモンド形成温度の圧力変化が求められた。一方、炭酸マグネシムを触媒に用いた場合には、触媒の融解以下の温度でダイヤモンドが形成しはじめる様子が観察された。
小原 真司*; 鈴谷 賢太郎; 大野 英雄
Plasmas & Ions, 2, p.79 - 83, 1999/00
溶融リチウム炭酸塩のX線回折及び中性子回折の結果(全散乱構造因子)に対し、逆モンテカルロ法を適用し、融体の3次元構造モデルを作った。この結果から配位数はN=3.8,N=2.4,N=3.7が得られた。しかし、これらは従来の分子動力学(MD)シミュレーションの結果と異なっている。さらに、COイオンは平板の三角形状であること、また、LiイオンはCoイオンのコーナーサイトにもっとも多く存在していることが明らかになった。
宮川 和也; 水野 崇; 廣田 明成*; 小松 大祐*; 角皆 潤*
no journal, ,
炭化水素ガスは堆積岩を対象とした放射性廃棄物の地層処分の検討において、処分場閉鎖後の長期にわたる地層中の放射性物質の移動に対するガスの影響評価などの観点から、重要な検討課題である。そのため、堆積岩の地質特性とその変遷に関するこれまでの知見を整理した上で、溶存ガスの情報に基づき、その生成, 移動, 集積プロセスについて考察を行い、地球化学環境形成モデルの構築へ反映させることが重要である。しかしながら、地上調査で得られていた溶存ガスに関する情報は大きなばらつきを示し、明確な解釈を得ることが難しかったため、地下施設を利用した信頼できるデータを取得する必要があった。そこで本研究では、地下施設を用いて高精度のデータを取得し、そのデータをもとにCOの生成過程について考察を行った。その結果、メタンの主要な起源については、微生物活動による二酸化炭素の還元反応であるというこれまでの報告と同様の結果が確認された。一方で、これまで考えられていた炭酸の供給の無いような閉鎖的な空間という仮定は、必ずしも成り立たないことが分かった。また、地下施設から得られたデータは、地上調査と比較してばらつきの非常に小さい結果が得られ、試料の採取方法や分析方法についてもまた、再検討の余地があることが明らかになった。
村上 拓馬; 水野 崇; 笹本 広; 鴻上 貴之*; 佐々木 隆之*
no journal, ,
本研究は、高レベル放射性廃棄物に含まれるマイナーアクチニドのアナログ元素となる希土類元素(REE)の地下深部における挙動を理解するために、幌延堆積岩中の希土類元素(REE)を分析し、その炭酸塩鉱物REEパターンから過去の地下水REEパターンの復元可能性について検討した。その結果、炭酸塩鉱物を含む砂岩質試料、炭酸塩ノジュールおよび炭酸塩充填鉱物のうち、炭酸塩充填鉱物試料のREEパターンには、現在の幌延地域の地下水REEパターンと類似した特徴が認められた。このことから、幌延地域の地下水REEパターンは、この炭酸塩充填鉱物の沈殿時から現在にかけて、変化していない可能性が示唆された。
佐藤 淳也; 鈴木 眞司; 中川 明憲; 加藤 潤; 榊原 哲朗; 中澤 修; 山下 昌昭; 佐藤 史紀; 助川 博文; 目黒 義弘
no journal, ,
本件では無機固型化材(普通ポルトランドセメント(OPC), 高炉スラグセメントB種(BB), ジオポリマー(GP))を用いて、多核種除去設備ALPSより発生する鉄共沈スラリー及び炭酸塩スラリーの模擬物の固化体を作製し、固化試料の圧縮強度や水浸漬による元素の浸出性への模擬廃棄物や固型化材の影響を調べた。圧縮強度試験では、GP試料と比較してOPC試料及びBB試料で高い強度が得られ、過剰な水分がGPの形成に悪影響を及ぼしたものと推察される。さらに、GP試料ではセメント試料と比較してスラリーによる硬化への影響が小さいことが示唆された。浸出試験では、OPC試料及びBB試料では模擬核種のCsやSrが溶出したのに対し、GP試料ではほとんど検出されなかった。CsやSrがGPの構造中に保持され不溶化したことにより浸出量が低くなったものと考えられる。今回の結果から、ALPSから発生したスラリーは、含有する成分による固化体の強度への影響が示唆されるものの、セメントやジオポリマーにより固化可能であることが示された。また、安定化処理方法によっては、スラリー中の水分が固化性状に悪影響を与えることが考えられるため、適切な処理方法を選択する必要がある。
福田 裕平; 菅沼 隆; 比内 浩; 池田 昭*; 小畑 政道*; 柴田 淳広; 野村 和則
no journal, ,
福島第一原子力発電所では、汚染水中の放射性核種の除去を目的として多核種除去設備が運転されている。多核種除去設備の前処理設備からは、高線量の鉄共沈スラリーおよび炭酸塩スラリー廃棄物が発生する。これらのスラリー廃棄物は、長期保管においての漏えいなどのリスク低減のため、固液分離し、水分除去を行うことが望ましい。固液分離技術の一つとしてろ過法があり、その適用性を検討する上でスラリー廃棄物の粒子径データの取得が必須である。今回、スラリー廃棄物の粒度分布測定法として、マイクロスコープによる非接触測定を活かし、測定機器(マイクロスコープ)の汚染要因を排除した、画像解析法による粒度分布測定法を構築し、多核種除去設備から採取した実際の炭酸塩スラリーの粒度分布および平均粒子径のデータを取得した。その結果、平均粒子径(個数基準)は3.62m、メジアン径(個数基準)は2.36m、検出された最大粒子径は23.2mであった。この結果は、今後、スラリー廃棄物の固液分離技術を設計検討する上での指標となると考えられる。
横山 立憲; 國分 陽子; 村上 裕晃; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; Chang, Q.*; 木村 純一*
no journal, ,
炭酸塩鉱物の放射年代学研究が与える年代学的な情報は、将来の長期的な地質環境変動モデル構築への利用に期待できる。還元的な地下環境で生成された炭酸塩鉱物については、未だ年代測定技術が確立されていない。本研究では、地下環境下における高透水性の地質構造に充填鉱物として存在する炭酸塩鉱物を対象に、年代測定技術を実用化することを最終的な目的とする。局所領域の年代測定技術を確立するため、レーザーアブレーション試料導入法を組み合わせたICP質量分析計を用いて、炭酸塩鉱物から成る海生化石の微量元素及び同位体の基礎情報を取得し、花崗岩の割れ目を充填する炭酸塩鉱物及び鍾乳石について予察的にU-Pb同位体比測定を行った。その結果、アンモナイト化石中のU-Th-Pb壊変系列の各元素及び同位体分布を可視化することができた。U-Pb同位体比測定では、測定対象とした領域のウラン濃度が低く、また非放射起源の鉛を多く含んでいたため、測定結果から有意なU-Pb年代を得られなかった。一方で、鉛濃度が検出下限界を有意に上回る領域から得られた測定結果から、鉛同位体の組成差が炭酸塩鉱物を沈殿させた水溶液の起源を探るのに有効な指標となることが示唆された。
本岡 隆文; 永石 隆二; 山岸 功
no journal, ,
高性能容器上のたまり水の発生原因に関する基礎知見取得のため、模擬炭酸塩スラリーを用いた線照射試験を行った。炭酸塩濃度95g/Lのスラリーに線を8.5kGy/h照射したところ、水位上昇、スラリー内の気泡発生、上澄液の出現、ガス放出を認めた。水位上昇の原因はスラリー内のガス蓄積による体積膨張と考えられた。
永石 隆二; 本岡 隆文; 山岸 功; 井上 将男; 松村 太伊知
no journal, ,
多核種除去設備(ALPS)の高性能容器(HIC)中で起きた炭酸塩スラリーの液位上昇に伴うたまり水発生は、スラリー中のSr-90等からのベータ線による放射線分解に起因すると考えられるが、詳細は明らかにされておらず、その原因究明を含めたスラリー廃棄物の安全管理の観点から、放射線分解挙動に関する研究を段階的に進めてきた。シリーズ発表として本報告では、処理水中の海水成分や添加物の炭酸塩が与える水の放射線分解への影響について議論するとともに、分解生成物の過酸化水素の熱分解による酸素発生等について述べる。
福田 裕平; 菅沼 隆; 比内 浩; 池田 昭*; 小畑 政道*; 柴田 淳広; 野村 和則
no journal, ,
既設多核種除去設備及び増設多核種除去設備の前処理設備から発生した炭酸塩スラリー廃棄物を採取し、その性状を調査するためICP-AESによる元素濃度分析と粒度分布測定を行った。ICP-AESによる元素濃度分析では、前処理設備の除去対象元素であるCa, Mgを高い濃度で検出し、この他に有意量のNa, Si, Fe及びSrを検出した。試料間において、Ca/Mg濃度比に最大約2倍の差が認められたが、これは、処理水(供給水)の組成の違いによるものと推定される。また、粒度分布測定の結果、今回までに試料採取した範囲では、設備の違いや処理水の組成によらず同程度の粒子径のスラリー廃棄物が発生していることがわかった。これらのデータは、スラリー廃棄物の安定保管の検討に資するものである。
山岸 功; 本岡 隆文; 永石 隆二; 高野 公秀
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故の汚染水処理で発生した炭酸塩スラリーは、高性能容器(HIC)に保管されているが、HIC内の水位上昇に伴うたまり水が観察されている。この事象解明のため、模擬炭酸塩スラリーを線で高線量照射する加速試験を行った。試験の概要および模擬炭酸塩スラリーの性状について報告する。
横山 立憲; 國分 陽子; 村上 裕晃; 渡邊 隆広; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; 宮崎 隆*; et al.
no journal, ,
硬岩の割れ目に充填鉱物として普遍的に存在する炭酸塩鉱物の年代学・地球化学研究により、過去の地下深部の地質環境を復元できると考えられる。一方で、炭酸塩鉱物の年代測定技術開発においては、国際的な標準試料が選定されておらず、その技術は充分に確立されていない。本研究では炭酸塩鉱物の高精度なU-Th-Pb年代測定技術開発を目指し、標準試料の選定を行った。産業技術総合研究所の地質調査総合センターがデータベース化し配布している数種類の炭酸塩試料を候補試料として選択した。湿式法によるICP質量分析により、JCp-1及びJCt-1には鉛同位体の不均質性が確認されたが、その不均質性は共に206-鉛ベースで1.2‰以下であり、LA-ICP-MSによる局所分析においては均質と見なせることが判明した。今後は2次元イメージング分析による空間的な均質性評価を実施すると共に、人工的な炭酸塩標準試料の作製を試みる。
谷口 拓海; 入澤 啓太; 伊藤 譲; 並木 仁宏; 大杉 武史; 阿部 智久; 佐藤 淳也; 榊原 哲朗; 中澤 修; 目黒 義弘; et al.
no journal, ,
原子力機構は、英国シェフィールド大学と協力して、文部科学省廃炉加速化共同プログラムを実施している。本研究では、それら廃棄物の水素ガス燃焼・漏えいリスク低減を目的に、低含水リン酸セメントによる閉じ込めを目指す。本発表では、日英共同プロジェクトの概要と合成した模擬廃棄物を紹介する。